オトナがカッコをつけるとき

デパートでお腹が痛くなり、トイレに駆け込んだ。

すぐ後から、一人の少年も青い顔で走ってきた。

そのトイレには個室は2つあって、ひとつのドアには誰かが入っているが、もうひとつのドアは少し開いていた。空いてる! チャンスだ!!!

だが、ここで喜んで飛び込んでは大人げない。大人はグっと我慢だ。

私は少年に空いている個室を指さして彼に譲る意志を示すと、自分は使用中のドアの前に並ぶことにした。イカすぜ、オレ。少年よ、これが大人だ!

だが丁度、私が個室の前に立ったタイミングで中から人が出てきたので、私と少年は同時にそれぞれの個室のドアを開く形になった。

数分後、コトを終えた私がドアを開けると、さっきの少年が死にそうな顔で飛びこんできた!

えっ? 不思議に思った私は、少年がさっき入ったトイレをのぞいてみた…

そこは用具入れだった。

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