元The 4 Seasonsのフランキー・ヴァリが、全曲新録音の『Tis the Seasons』を発売した。
まさか2016年になって、82歳になるThe 4 Seasonsのフランキー・ヴァリが、新譜でクリスマス・アルバムを発売するなんて思ってもいなかった。
しかもプロデュースは朋友ボブ・ゴーディオ。オールドポップスのファンにとっては、まさにクリスマスプレゼントだ。
The 4 Seasons を知ったのは1980年代の半ばのことだ。
一足先にビーチボーイズを興味持って購入したコレクションボックスの解説にライバル的な存在としてThe 4 Seasonsのことが書かれていた。
興味を惹かれた自分は彼らの音源を探したけれど、国内ではベスト盤のレコードさえ売られていない状況だった。
まだインターネットもCDもなかった頃である。仕方がないので輸入レコード屋、中古レコード屋などを回って少しずつ彼らのレコードを手に入れていった。気に入った音楽を探すには足を使わなければいけない時代だったのだ。
それでも手に入れた60年代の音は、フランキー・ヴァリの突き抜けたファルセットは面白く、曲もキャッチーで魅力的だったから、レコード探しはまるで宝探しのようだった。
道が空く日曜の20時頃に茗荷谷の自宅から青山のパイドパイパーハウスまで、毎週のように車を走らせていた。
今でもThe 4 Seasonsの曲を聴くと、フロントガラスに映っていた夜の街の景色が目に浮かぶ。
ボブ・クルーがプロデュースしていた頃のThe 4 Seasonsは「いかに売れる曲をつくるか、いかに儲けるか」をプロダクションの総合力で追及していた。
それがアーティスト志向のビートルズやビーチボーイズとショービジネス出身の彼らとの違いでもある。
しかし、The 4 Seasonsが凡百のグループとならなかったのは、メンバーの中にフランキー・ヴァリとボブ・ゴーディオという稀有の才能を持ったメンバーがいたからだ。
1962年12月に彼らが発表したクリスマスアルバム『The 4 Seasons Greetings』は、A面がクリスマスキャロルの組曲、B面をThe 4 Seasonsアレンジでクリスマスソングを歌った名盤で、ビーチボーイズの『The Beach Boys’ Christmas Album』(1964年)と共にクリスマスの愛聴盤の1枚となっている。
ブライアン・ウィルソンが2005年にソロで『What I Really Want for Christmas』を発売したときも驚いたけれど、まさかフランキー・ヴァリが新譜でクリスマスアルバムを発表するとは思わなかった。
2年前には、初来日でライブ（ 2014/1/18：日比谷公会堂）を観せてくれたし、フランキー・ヴァリはまさにショーマンシップを体現したアーティストだなと思う。
by Shang
