春が待ち遠しいですね。私は寒いのは苦手なんです。でも、暑いのも嫌いです。 私は16歳になる老猫（メス）です。人間で言えば齢80歳ぐらいでしょうか？ 諸事情により名前を明かすのはご勘弁ください。 私は静寂を好んでいます。老いた私の毎日は、キャットフードと煮干しといった質素な食事と近所の散歩、そして陽射しを浴びながら窓際でのんびりと眠る…そんなことの繰り返し…。 でも、それはとても平和で幸せな毎日でした。そう、アイツが来るまでは…。 |
神様って本当にいると思いますか？
私は神様を信じています。だって私は神様を見つけたのですから。
今日、私がリビングをのんびりと歩いていると、突然、椅子の上から何かが飛び乗ってきました…チロです！！
今までも私が歩いていると、突然シッポにじゃれついてくることがあったけど、まさか空中から奇襲作戦でくるとは…。
チロは私が睨むとビクっと止まり、そのまま視線を横にズラして誤魔化そうとしています。
私はフンと鼻を鳴らして、気分を変えるためにゴハンを食べにキッチンに向かいました。
機嫌よく煮干しを食べていると、いつの間にかチロが寄ってきて、隣で私のキャットフードを食べています。
私のゴハン！ 食べないでー！！ 返せ、くぬやろー！！
どうしてチロは私の後ばかりついてくるのでしょうか？
この前は私がお気に入りの場所…バスルームの風呂のフタで寝ていると、こっそりと入り口から覗いていました。まるでストーカーみたいです。
私はただ、ゆったりと食事を楽しんだり、のんびりと昼寝を楽しみたいだけなのに。
そんな風に落ち着かない食事を終えると、私は逃げるように２階への階段を上りました。
この時間は２階のベランダに陽がさしていて日向ぼっこにちょうどいいのです。私はチロに気づかれないようにそっと歩きました。
んっ？ 階段を駆け上がってくる鈴の音が聞こえ…チロです！ コイツってば、またついてくる気です。
私はチロを無視してベランダにでました。ベランダの手すりには布団が干してあります。
そういえば、こういう手すりに乗っかって布団ごと落ちてしまうダメ猫がよくいるそうです（老猫会回覧板に出ていました）。
…と言ってる間にチロが布団に爪をたててよじのぼっていきます。上りきると落ちないように布団を抱えて踏ん張っています。
あぁ、強い風が吹いてチロが飛ばされちゃえばいいのに！！
ゆったりとまどろむ午後のひととき，私だけが受ける寵愛，穏やかな食事の時間、チロが飛ばされちゃえば私の幸福が戻ってくるのに…。
私は今日も神様にお祈りしました。
私の神様、どうぞよろしくお願いします。
