現在では国内よりも海外の売上が大きく、シルバニアンファミリーを主力商品とするエポック社は、もともとは野球盤を販売するために1958年に設立された会社である。
そしてオレが小学生だった1970年代のエポック社はといえば、野球盤や魚雷戦ゲームをはじめとする意欲的なアナログゲームを次々と発売して、TVでもCMをバンバン流しており、当時の子供たちにとっては特別なメーカーだった。
オレは1972年版「オールスター野球盤」を親に買ってもらったのだけれど、この盤は一番初めに”消える魔球”機能を搭載した野球盤だった。
”消える魔球”は、当時の人気漫画/アニメ『巨人の星』で主人公”星飛雄馬”が投げる魔球”大リーグボール2号”のことである。
もっともオレは実際の野球には興味はなかったし、『巨人の星』も観ていなかったから、オレにとっての”消える魔球”は野球盤がオリジナルのようなものだ。
この野球盤と魚雷戦ゲームはよく遊んだな。オレにとっては特別に思い入れがあるゲーム盤だ。
でもって、これらのゲーム盤はオレの知らないところで、毎年のように新版が発売されていった。
やがて息子が生まれて、彼とゲーム盤で遊べるようになってから、オレは一緒に遊ぶために再び、野球盤をいくつか購入した。
そして今時点(2022/1）での野球盤の最高傑作は、2018年6月9日に発売された”野球盤3Dエース モンスターコントロール“である。
オレはこのゲームを2018年9月に購入したけど、その進化ぶりには驚いたな。
なにしろ、球は本当に空中を飛ぶわ、バッターは高さ調節もできるわ、電光掲示板は様々な情報を音声と映像で映し出すわと進化のし放題。
オレの1972年版野球盤に対するノスタルジックな思い入れを超えた面白さ。こういう豪華な進化はいいね。
by 静 炉巌（2022/4/27）
