1970年に1700円で発売された任天堂「ラスベガスゲーム」は、ラスベガスを舞台にしたカジノ遊びが楽しめるゲームである。
台紙にはルーレット、スロットダイス、ダイスカップの３コーナーが設けられている。
サイコロで進んで、各々のコーナーに入るとその人が親となって賭けがはじまる。
もちろんチップが配当で、全員が出口に着いたときにチップの多い人が勝ちだ。
…というはずなんだけど、小学生の時に親にねだって買ってもらったものの、遊び方も楽しさも全然わからなかったゲームである。
だって説明書を読んでも”ゲームの親は”みたいに書かれていても、そもそも”親”の意味がわからなかった。なんでゲームに親がいるの？みたいな。
それから50年を経て、2020年に息子を相手に初めてこのゲームで遊ぶことができた。さすがにこの歳になれば、”ゲームの親”の意味だってわかる。
でもって遊んでみると意外と楽しい。そりゃ、大人が熱中する賭け事の真似事なんだからそれなりに面白いに決まっている。
ルーレットはクルクルと勢いよく回るし、ダイスカップは革製だしと、ゲームを盛り上げる雰囲気だっていい感じだ。
そんなわけで、ラスベガスゲームは息子と遊ぶ定番ゲームのひとつとなった。
自分が今の息子の年齢の頃からずっと納戸で眠っていたゲームが、時を隔て親として遊べるようになったなんて不思議な気持ちだ。
by 静 炉巌
