| ■マイブームの時期 ・第一期：1999.6～2007.4 |
1999年6月から2007年4月まで”マツダ ロードスター”に乗っていた。
オレが愛車と呼ぶことができたこの車は、手放してしまったいまでもずっと特別な存在であり続けている。
＊
1999年4月のこと、オレのなかで車を購入する気持ちが盛り上がっていた。
1997年9月に対向車線をはみ出してきた車にぶつけられて、それまでの車が廃車になり、さすがに不便を感じてきたからだ。
どうせ買うなら、ずっと憧れていたコンパーチブルがいい。
オレはフィアットのバルケッタ （BARCHETTA）、ニュービートルのコンパーチブルタイプ、そしてマツダ ロードスターに候補を絞りこみ、最終的にマツダ・ ロードスターを選んだ。
1998年1月に発売されたマツダ・ ロードスターは、初代を正常進化させた作りで流麗なボディラインに愛嬌のあるヘッドライト、まるで自分の意志をダイレクトに汲み取ってくれるハンドリングが素晴らしい車だ。
オレは1.8リッターモデルでボディ色に”エボリューションオレンジマイカ”を選び、トランスミッションはATを選んだ。
「ロードスターはMTでなきゃ」なんてヤツもいるけど、スピードやテクニックではなく快適さを求めるオレには、渋滞でも楽なAT車の方がよかった。マツダロードスターのATは電子制御式だから変速レスポンスにもストレスがない。バイクでいうならアメリカンタイプを選ぶようなものだ。
マツダ・ ロードスターに乗ってから、運転は単なる移動手段ではなくなった。
幌をオープンして走ればフロントガラスの景色には風と匂いが伴って、ヘルメットに遮られたオートバイよりもずっと開放的で風を楽しむことができた。
雨の日の信号待ちで幌の内側に手をあててみれば、雨粒があたるのを布越しに感じることができた
ドライビングには車との一体感があって、オレははじめて運転することが楽しいと思った。
やがて時が過ぎて子供が生まれ、オレはロードスターを手放してファミリーカーに乗り換えた。そして運転は、また単なる移動手段になった。
できることならもう一度乗ってみたい車である。
遊人（2021/11/23）
