ミニ黄昏の職場日記:原付は危険だよの巻

syokuba1

子分2号

職場の女性部下。妙な感性と仕事ぶりは評価できるが、かなりお調子者。

職場で始業時間前に子分2号と雑談をする。

静 :「知り合いの女の子がね、落ち込んでたんだよ」

子2:「どうしたの?」

静 :「うん、アルバイトでお金を貯めて原付バイクを買ったんだけど事故っちゃったんだって」

子2:「…」

静 :「その子は毎日、通勤の途中でショウウィンドウに飾られている原付バイクを眺めててさ。買うときはどの色にしようかって毎日すごく楽しみにしてて、やっと手に入れたらしいんだよね」

子2:「かわいそう…」

静 :「でしょ! でね、やっと納品されてさ。やっぱり嬉しいし大切にしたいから、最初はハンドルをもってちょっと押してみたんだって」

子2:「うんうん」

静 :「そしたらエンジン始動ボタンを押しちゃったらしくて、いきなりバイクが走り始めらしいんだよ。でも、新品だから絶対放しちゃいけないと思って一生懸命にハンドルを握ったらアクセルが回っちゃって、そのまま全速力でバイクと一緒に走って壁に激突! バイクは壊れて、自分も擦り傷だらけになっちゃったの。新品のバイクが乗る前から事故なんだよ。わははーー!!」

子2:「…」

静 :「あれ? 面白くない?」

子2:「…私も似たようなことあるよ」

静 :「げっ!!」

子2:「スキーに行く約束をしてて、友達の家に集合したの。そしたら友達が原付に乗っててね。私は原付に触ったことがないから押させてもらったの。そしたらやっぱりアクセル全開になっちゃってバイクと一緒に走って壁に激突したよ。」

静 :「そんなトンマなことしてたの?!」

子2:「ケガもしたし、原付の修理代を5万ぐらいを弁償して高いスキーになったよ」

静 :「うーん、乗らないのに事故るってのは盲点だったな。こういう人たちのためににエンジンがついてない”押すだけ原付”っていうのを売り出したら売れるんじゃないかな? 試作品を作ってあげようか?」

子2:「いらないよ!! 重いだけじゃん!」

静 :「でもカゴとかついてるし、荷物を入れられるよ」

子2:「原付を押す方が疲れる!!」

静 :「じゃあ、エンジンをつければいいんだよ!」

子2:「ふつーじゃん!」

静 :「やっぱし根本的な解決策として、”原付を押すための免許証”がいるのかな。」

子2:「そんなのとる人いないよ!」

静 :「原付を押しただけで事故る人に言われたくないから」

子2:「…」

しかし原付バイクを押したまま事故るというのはよくあることなんだろうか。それにしても、子分2号は車を運転すればレストランの駐車場で水道管を折るし、原付を借りれば壁に激突しと、結構、危ないヒトであった。

今月末には出産のために退社する彼女だけど、乳母車で暴走することはやめてほしいと思う。

静 炉巌(2004/07/05)

home1