新橋駅前ビル1号館の地下の飲食街は、1966年にビルが建てられた当時からのテナントが残ってるんじゃないの？と思えるほどにド昭和の世界。
通路にまでテーブルがはみ出していて、定時を過ぎればサラリーマンたちがご機嫌にモツ鍋をつついたり、杯を傾けたりしている。
この飲食街には、”市松”と”かねてつ”という2件の鰻屋がある。
”かねてつ”の鰻はいかがなものかとしか思えないし、はっきりいえばおいしくない。でも、”市松”の鰻は美味い。
市松は創業56年となる国産鰻の専門店だ。朝7時頃から鰻の仕込みをはじめている。
店主は3代目だが、世襲制ではなくサラリーマンからの転職。2代目はインテリアデザイナーからの転職だったそうだ。
仕事帰りにちょっと力でもつけるかと立ち寄って、少し張り込んで”うな重（松）”を”ごはん少なめ”でオーダーする。やがて重箱から鰻がはみ出んばかりのうな重が運ばれてくる。これが旨いんだな。
そしてフワフワとした蒸しのうなぎのボリュームに満足して店を出る。「あぁ、鰻を食ったなぁ」と思える、そんな感じの店だ。
ちなみにメニューにある”焼き鳥”は、塩の”ねぎま”なんだけど、これがまた旨いんだな。
遊人 [2018/8/25]
