アメリカでは1993年10月29日、日本では一年後となる1994年10月に公開された映画”Nightmare Before Christmas“。
当時は特に話題になることもなくて、12月に女友達と渋谷のロードショーを観に行ったら客席はガラガラで驚いた。
今でこそシーズンになると、東京ディズニーランドのホーンテッドマンションが“ホリデーナイトメア”（2004年～）として”Nightmare Before Christmas“に彩られる程だけれど、映画が封切られた時点では失敗作だと思われていたのである。
ダークなストップモーション映画という程度の予備知識で鑑賞した映画だったけど、ティム・バートンとダニーエルフマンのセンスが結実した世界観は魅力的で、オープニングの”This Is Halloween”からその世界に惹き込まれてしまった。
でも当時は日本語の資料といえば映画のパンフレットとCINEFEX日本版５号（1994/11）ぐらいしかなかったし、海外グッズを目にすることも殆どなかった。
ナイトメアの世界観の原点は、ティム・バートンが独特の作風で描いた絵本『The Nightmare Before Christmas』で、米映画公開時の1993年に出版されている。
しかし、その絵本の日本語版が発売されたのは、日本で映画が公開されてから5年も過ぎた1999年10月のことだった。
『The Nightmare Before Christmas』にはコアなファンがついていたものの、一般に人気が出てきたのはこの頃からなのである。
アメリカで1994年のビデオ発売時に同時に出版されたメイキング本『 ナイトメアー・ビフォア・クリスマス メイキングブック』の日本語版は、映画が公開されてから10周年となる2004年9月になってから出版された。
この映画で音楽が果たした役割は大きい。ミュージカルなのだから当然かもしれないが、物語の世界観を完璧に描き切ったダニー・エルフマンの音楽は特筆すべきものだ。
彼はこの音楽について2017年11月のインタビューで次のように語っている。
「自分たちですら何をしているのか正直よくわかっていなかった。（アニメでの）ミュージカルをどのように手掛けるかというガイドブックみたいなものは当然なかったし、僕ら二人ともそれまでミュージカルを手掛けたことはなかったんだ。
でもスタンダードナンバーを数曲選んで、それを見どころで何度か流すという典型的なディズニー映画のアプローチは絶対にしなかったし、ブロードウェイ・ミュージカルのサウンドのようにもしたくなかった。
どんな風に作品を始めてよいかもわからなかったし、最初は脚本もなかった。
そこで、ティムには『僕に少しずつストーリーを、暖炉で甥に語りかけるように話してくれ』と伝えたんだ。すると、彼はアニメ化したシーンを通して説明してくれた。その後、1曲を約3日間かけて作り、映画内の時系列順に30日間で10曲書いたよ。
映画は全くヒットしなかったね。公開する前に一度だけプレビュー・スクリーンを行ったんだけど、その試写で子供たちはこの映画を好まなかった。ディズニーはターゲットにする世代がないことに気付いたんだ。同作の商品化も中止になって、急に大人の観客を探そうとしていたよ。ディズニーは、どうして良いかわからなかったんだと思うね。だから、公開してすぐに映画館から消えていったんだ」
“Nightmare Before Christmas“は、いまでは映画の傑作として認められている。エルフマンが手掛けた音楽についても同様だ。
2015年10月にはディズニーコンサートがプロデュースした”Nightmare Before Christmas“ライブコンサートがハリウッドボウルで開催された。
このライブは2016年と2018年にも公演が行われて、エルフマン、オハラ、ペイジが映画の役を演じた。
2019年５月には日本でも東京国際フォーラムにてコンサートが開催されている。
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【サウンドトラックの世界】
■『Tim Burton’s The Nightmare Before Christmas: Original Motion Picture Soundtrack』（1993/10/29）
アメリカでの映画公開と同時に発売されたサウンドトラック。
1. Overture
2. Opening
3. This Is Halloween
4. Jack’s Lament
5. Doctor Finkelstein/In The Forest
6. What’s This?
7. Town Meeting Song
8. Jack And Sally Montage
9. Jack’s Obsession
10. Kidnap The Sandy Claws
11. Making Christmas
12. Nabbed
13. Oogie Boogie’s Song
14. Sally’s Song
15. Christmas Eve Montage
16. Poor Jack
17. To The Rescue
18. Finale/Reprise
19. Closing
20. End Title
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■『Music for a Darkened Theatre, Vol. 2: Film & Television Music』（1996/12/3）
1996年にダニー・エルフマンが映画やテレビのために書いた楽曲を集めたCDの第二弾が発売された。
このアルバムには、” Nightmare Before Christmas”のためにエルフマンが多重録音で作ったデモ”This Is Halloween”が初収録された。
29. This Is Halloween (Original Demo For Nightmare Before Christmas)
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■『Tim Burton’s The Nightmare Before Christmas: Original Motion Picture Soundtrack』（2006/10/24）
2006年に発売された”The Nightmare Before Christmas”の2枚組のアルバム。
1枚目はオリジナルと同じだが、2枚目のCDには他のアーティストによる楽曲カバーの他に初出となる3曲を加えたエルフマンのデモ曲が収録された。
6. This Is Halloween
7. Making Christmas
8. Oogie Boogie’s Song
9. Kidnap The Sandy Claws
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■”The Danny Elfman & Tim Burton 25th Anniversary Music Box”（2011/3/8）
2011年3月8日に、”The Danny Elfman & Tim Burton 25th Anniversary Music Box”というタイトルのCDボックスが限定1000部で発売された。
これはダニー・エルフマンとティム・バートン監督のコラボ作品を集めた１６枚組BOXセットで、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』、『マーズ・アタック！』、『スリーピーホロウ』、『PLANET OF THE APES猿の惑星』、『ビッグ・フィッシュ』、『コープス・ブライド』、『チャーリーとチョコレート工場』、『アリス・イン・ワンダーランド』の各作品にデモなどのボーナストラックを加えて１枚ずつ収録。
さらにＴＶ作品や展示会、バレエなどで使われた曲、歌入りの曲のオーケストラヴァージョンなどを収録したCDが3枚と、このセットのために収録されたエルフマンとバートンの対談DVD1枚が豪華ゾートロープ型ケースに収められている。
また音源のすべてをMP3形式で収録したスケルトン型USBメモリーと250ページのハードカバーブックレットがついている。
特に『Nightmare Before Christmas』関連の音源は充実しており、これまで発売されていたサウンドトラックには含まれていなかった楽曲を加えた完全版サウンドトラック、オーケストラのみのバージョン、全曲のデモなどが収録されている。
※青字は初収録
■Tim Burton’s The Nightmare Before Christmas: Original Motion Picture Soundtrack
6-1 Overture
6-2 Opening — Narration By Patrick Stewart
6-3 This Is Halloween — Performed By The Citizens Of Halloween
6-4 Post Party
6-5 Jack’s Lament — Performed By Danny Elfman
6-6 Doctor Finklestein/In The Forest
6-7 What’s This? (Singing Elf Mix) — Performed By Danny Elfman
6-8 Sally’s Lament/Wandering Jack
6-9 Jack Returns
6-10 Town Meeting Song Intro
6-11 Town Meeting Song — Performed By Danny Elfman And Cast
6-12 Jack And Sally Montage
6-13 Jack’s Obsession — Performed By Danny Elfman And Cast
6-14 Work In Progress
6-15 Kidnap The Sandy Claws — Performed By Paul Reubens, Catherine O’Hara And Danny Elfman
6-16 Bunny
6-17 Making Christmas Intro
6-18 Making Christmas — Performed By Danny Elfman And The Citizens Of Halloween
6-19 Nabbed
6-20 Oogie Boogie’s Song — Performed By Ken Page With Ed Ivory
6-21 Big Send-Off
6-22 Sally’s Song — Performed By Catherine O’Hara
6-23 Christmas Eve Montage (Extended Film Version)
6-24 Poor Jack — Performed By Danny Elfman
6-25 To The Rescue
6-26 Back To Business
6-27 Finale/Reprise – Performed By Danny Elfman, Catherine O’Hara And The Citizens Of Halloween
6-28 Closing — Narration By Patrick Stewart
6-29 End Title
■Notes And Notions: Orchestra-Only Versions 1985-2010
16-1 Opening (Orchestra-Only Version)
16-2 This Is Halloween (Orchestra-Only Version)
16-3 Jack’s Lament (Orchestra-Only Version)
16-4 What’s This? (Orchestra-Only Version)
16-5 Town Meeting Song (Orchestra-Only Version)
16-6 Jack’s Obsession (Orchestra-Only Version)
16-7 Kidnap The Sandy Claws (Orchestra-Only Version)
16-8 Making Christmas (Orchestra-Only Version)
16-9 Oogie Boogie’s Song (Orchestra-Only Version)
16-10 Sally’s Song (Orchestra-Only Version)
16-11 Finale/Reprise (Orchestra-Only Version)
16-12 Closing (Orchestra-Only Version)
■Curios And Curiouser: Song Demos 1985-2010
15-1 Opening (Danny Elfman Vocal Version)
15-2 This Is Halloween (Demo)
15-3 Jack’s Lament (Demo)
15-4 What’s This?
15-5 Town Meeting Song
15-6 Jack’s Obsession (Demo)
15-7 Kidnap The Sandy Claws (Demo)
15-8 Making Christmas (Demo)
15-9 Oogie Boogie’s Song (Demo)
15-10 Sally’s Song (Instrumental Demo)
15-11 Poor Jack (Demo)
15-12 Finale/Reprise (Demo)
15-13 This Time (Unused Electric Song — Demo)
15-14 This Is Halloween (Italian Version)
15-15 Jack’s Lament (German Version)
15-16 Oogie Boogie’s Song (Italian Version)
15-17 Sally’s Song (German Version)
15-18 Poor Jack (French Version)
15-19 Closing (Danny Elfman Vocal Version)
by Shang（2019/9/23）
