シャーマン兄弟と言えば、ディズニー専属の音楽家として”メリー・ポピンズ”や”ジャングルブック”、”スモール・ワールド”、”魅惑のチキルーム”、”パイナップル・プリンセス”など数々の名曲を残し、その後も”チキチキバンバン”など、今も世界中で愛されている楽曲を生み出してきた音楽チームだ。
物静かな兄のロバート・シャーマン（1925/12/19 – 2012/3/5）は作詞の担当、陽気な弟のリチャード・シャーマン（1928/6/12-）は作曲を担当。
二人の複雑な関係は、2009年のドキュメント『The Boys: The Sherman Brothers’ Story was released』（邦題『ディズニー映画の名曲を作った兄弟』で浮き彫りにされている。
彼らの最高傑作は一般には『メリーポピンズ』の音楽だと言われているけれど、自分は『チキチキバンバン』の楽曲の方が好きだし優れていると思っている。
様々な楽曲を世に送り出してきたシャーマン兄弟だけど、彼ら名義のオリジナルアルバムはない。後年になってから、弟のリチャード・シャーマンが２枚のソロアルバムを発表している。
１枚目は2010年に発売された “Forgotten Dreams“で、２枚目は2012年に発売された”keys of love”で、どちらもリチャード・シャーマン自身が書き下ろした楽曲のピアノソロ・アルバムだ。
ディズニー時代のような音楽を期待すると肩透かしをくうことになるけれど、落ち着いた味わいの美しいメロディが紡がれている。
あえて表現するならば、１枚目の”Forgotten Dreams“は演奏者の世界を聞き手が楽しむもの、２枚
目の”keys of love“は演奏者が聴衆を楽しませるための音作りをしているように聴こえる。
だから”keys of love”の方がより馴染みやすいメロディを持っていて、１曲目の”Wishful Dreaming”から惹き込まれてしまう。でも、”Forgotten Dreams”には味わい深い魅力がある。
どちらのアルバムも日曜の早朝によく似合う。自分にとっては愛聴盤だ。
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シャーマン兄弟の代表曲を、アコースティックギターで奏でる”Poppin’ Guitars : A Tuneful of Sherman”は、彼らの音楽のよさを再確認させてくる好盤である。
by 遊人 (2016/6/18)
