この国で暮らしていて、奇妙なことのひとつは、「平和を守るために戦争はしない」、「戦争を起こしたことを反省する」「軍備はもつべきではない」と言ったことを、真顔で主張するヒトやメディアの存在だ。
もちろん、それが少数派なら個の尊重でいいんだけど、多数派だからね。しかも、ホントにそう考えてる節がある。
頭、おかしくない？ ホントにその主張を実現できるとしたら、それは戦勝国しかないじゃん。日本は敗戦によって、戦勝国アメリカに好きなように抑え込まれているだけだからね。
でもって、GHQ草案を取り込めさせられた憲法を、まるで自分たちで生み出した宝物みたいに思っている。いわゆるマッカーサー3原則のひとつ、”War as a sovereign right of the nation is abolished（国家の主権的権利としての戦争を放棄する）”がその最たるもの。
それを”平和憲法”という呼び方で、有難がってるヒトってなんなの？ これは国としては、屈辱だと認識することだと思うよ。
そもそも戦争が起こったら、アメリカが日本を守ってくれると本気で思っているヒトもおかしい。
アメリカが日本を守るのは、中国、ロシア、北朝鮮の攻撃からアメリカを守るための前線として使うためだからね。日本を守るというのは、その範囲に限定されている。
例えば以前に、日本に米国のミサイル基地を配置する話があったけど、アメリカが提案してきた配置場所は米軍基地ではなく、新潟など日本海側のいくつかの場所だった。
つまり大陸からのアメリカ本土への攻撃を、日本で食い止めるっていうこと。この案は結局、実現しなかったけれど。
あと、「日本は核の被害を受けた唯一の国だ。その惨状を知っているから核を持たない」っていう主張も、よく聞くけど、これまた敗戦の影響下にあるヘンな考え方だなと思う。
だってね、逆に「日本は核の被害を受けた唯一の国だ。その惨状を知っているからこそ核を持つ権利がある（下手に使うことはない）」という主張だってできるし、そっちの方がスジが通っていると思うね。
守るためには、威嚇としての攻撃力を含めて、それなりの軍事力が必要だというのが現実でしょ。それを使うか使わないか、どう使うかというだけのことで。
それに、もし専守防衛を本気で考えてるなら、先手必勝が使えない不利な状況から、巻き返せるだけの強力な軍事力が必要になるんじゃないの？
似たようなヘンな考えに、学校内の”いじめ問題”で、「いじめられる方にも問題がある」だの、「いじめられたら転校すればいい」なんてことを言うヤツらもいるけど、これも敗戦国の考え方に影響されてると思うな。
だって、いじめる方が悪いに決まってるじゃん。転校させなきゃいけないのはいじめた方でしょ。
もういい加減に、敗戦下での曲がった思想を捨てて、まっすぐに考えるようにした方がいいと思うね。
静 炉巌（2023/4/20）
