| ■マイブームの時期 ・第一期：2022年11月 |
2022年11月の祝日。オレは、朝から繰り返しビーチボーイズの『ペット・サウンズ』（Pet Sounds）を聴いていた。
『ペット・サウンズ』は、ブライアン・ウィルソンが心血を注いで制作した1966年のアルバムだ。
ブライアンは、ビーチボーイズのメンバーがツアーにでている間に、スタジオミュージシャンと演奏パートのレコーディングを終えた。
ツアーから帰ってきたメンバーは、ブライアンの指示に従って歌だけを吹き込んだ。
オレはステレオ版『ペット・サウンズ』を聴いて、さらに1997年にリリースされた『ペット・サウンズ・セッションズ』に収録されているボーカルオンリー版と演奏のみ版を聴いた。
『ペット・サウンズ』は不思議なアルバムだ。このアルバムは、史上最良のポップス、あるいはロックの名盤と評されている。様々な解説を読めば、その理由も頭ではわかる。
でも、オレは1980年代半ばにビーチボーイズを聴き始めてから、最近になるまで、ずっとピンとこなかった。
コーラスや演奏の複雑さ。『ペット・サウンズ』にしか存在しない音楽だということは、オレにだってわかる。そして、『ペット・サウンズ』制作にまつわる物語には惹かれてしまう。
でもね、楽しみ方がよくわからなかった。心地よくなりたいときに聴きたい音楽ではなかったし。
でも、今ではこのアルバムがとても気に入っている。
いわゆる音楽の文法からはずれた音楽。ここでこう来るなという予想が通じない展開や楽器の使い方。
楽器の使い方に注目するだけでも面白い。例えばドラムを耳で追っていくと、えっ？ここで？と思うタイミングで入ってくる。まさにの唯一無二のアルバム。「ペットサウンズ」に似たサウンドが、今でさえも存在しないという現実。聴くほどに凄い作品だ。
そんなことを考えつつ、オレはこのアルバムの音のなかに、”知”の楽しさと共に入っていく。
ただね、オレにとっての『ペット・サウンズ』は、あの当時の”ブライアンの声”でなければならない。だって、声も楽器なのだから。
2002年にブライアン・ウィルソンのペット・サウンズ・ツアーを観に行ったけれど、やっぱり音像が違ったな。このツアーは、”ブライアンがペットサウンズを歌った”ということ自体に意味があるものだった。
■オレがみたビーチボーイズ関連Live
1991年11月2日（土） ”The Beach Boys Japan Tour” 日本武道館
1999年6月26日（土） “Van Dyke Parks Live“ Sweet Basil 139
1999年7月14日（水） ”Imagination Tour” 東京国際フォーラムホールA
2002年2月22日（金） ”Pet Sounds Tour 2002” 東京国際フォーラムホールA
2005年1月30日（日） ”SMiLE Tour” 東京国際フォーラムホールA
2012年8月16日（木） ”The Beach Boys 50th Japan Tour”幕張
2016年4月13日（水） ”Pet Sounds Tour 2016” 東京国際フォーラムホールA
遊人（2022/11/17）
